椅子も数多くデザインされている
建築家の中村好文さんに
椅子についてお話しを
お聞きしたことがあります
「1日の中で、椅子に座る時間はかなり長いでしょ」
「その椅子の座り心地は1番に考えた方がいいよね」
「だから ちょっと高価でも
気に入った良い椅子を選ぶと良いね」
「長い年月で割れば安いんだから
一番快適で気に入ったのがいいよね」
中村好文さんデザインのパウダースツール
タイトルの
「安物を買うほど裕福ではない」
を表しているお話しでした
この「安物を・・・」という言葉は
だいぶ前に何かの本で読んだのですが
忘れられず心に残っていて
ドイツの諺(ことわざ)と記憶しています
日本の
「安物買いの銭失い」
に似ていますが
さらに踏み込んでいるように感じます
たとえ裕福でなくても
長持ちするもの
飽きのこないもの
を選ぶ目を持ち
安物や目の前にあるもので
安易に済ますのでなく
気に入ったものをあきらめずに探し
高ければ お金が貯まるまで待って買う
という「心」です
これは人生を通して全てに当てはまります
もちろん全てに当てはめると
お金がいくらあっても足りないかもしれません
自分にとって
そうすべき優先順位や判断基準を
つけておく
あるいは
普段から気にかけるだけで
買い物の仕方が変わり
本当にこれを買っていいのか
と自問するようになります
そうすると自然と
お気に入りに囲まれて
暮らしが育っていきます
見学会で活躍する お気に入りの椅子たち
奥左・中:セブンチェア(アルネ・ヤコブセン)
奥右:スツール60(アルヴァ・アアルト)
前左:サムチェア(中村好文)
前右:Yチェア/CH24(ハンス・J・ウェグナー)
もちろん私自身
安易な選択で買い物はしないよう
気を付けていますが
あとで後悔することもしばしば
今は中古品を取り扱っているお店も
多くなりましたので
「今までありがとう」
と感謝して手放し
次の出会いを待つことにしています