階段が狭くて
大きめな荷物を持って上がるのが大変。
そんなふうに感じることは ありませんか?
一般的な階段の幅は765ミリほど。
(柱の太さが120×120mmの場合)
この幅から少しだけでも広くできると
とても上がり降りしやすい階段になります。
さらに
隣りの部屋や廊下の幅を狭くせずに
階段を広くできたら嬉しいですね。
いつも設計で工夫しているのは
・2階の梁(はり)の位置を調整して
・階段に接する壁を薄くする
そうすると、階段幅を広くできます。
ただし、
これは真っすぐなストレート階段の場合。
回り階段の場合は
・真ん中の壁の厚さを薄くする
2019年12月に竣工した
「坂井東の まちなか山荘」で
この手法を採用しました。
左の壁に比べて
右の壁(階段の中央)を薄くしています。
実は
これが現場ではなかなか大変。
いわゆる「言うは易し」
ですね。
階段中央の壁を
シナランバーコア30mmを
2枚重ねて作りましたので
階段の内側の幅は約807mm。
一般的な階段より40mmほど
広くなっています。
たった40mmかもしれませんが
とても使いやすくなります。
工事で大変なのは
壁を薄くすることで
階段の段板を取り付けるのに
大工さんが苦労する点です。
もちろん完成後は
その苦労を見せないように
さらりと仕上げています。
もう一つ工夫しているのは
階段の段板脇に
巾木(はばき)を付けないこと。
壁と床の境になる巾木を付けないことで
階段の段板だけが目立ち
階段全体が「視覚的に」広く見えます。
巾木は
掃除などで壁を傷めない役割がありますが
最近の掃除機は優しいので
「巾木無し」を採用しています。
そんな坂井東の まちなか山荘
階段脇の楽しいスペース。
ハンモックを付けて のんびり過ごしたい
という ご依頼でした。