茨城県つくば市で開催中の
里山住宅博へ行ってきました。
建築業界紙・新建新聞社の主催で
ヴァンガード・ハウス(先導的住宅)
を拝見するのがメインイベントでしたが、
もう一点、
ランドスケープ・デザイナー
田瀬理夫(たせみちお)さんの
お話しもお聞きできるのも
マニアックな楽しみでした。
まずはヴァンガード・ハウス。
伊礼智(いれいさとし)さん
芝生に石を散らして、駐車スペース。
庭と一体化しているので、
駐車スペースには見えません。
家へのアプローチが
橋を渡っていくようにイメージされています。
玄関先には広いデッキとベンチ。
中からの眺めを邪魔しないよう
細く薄く作られています。
ルーバー格子の中はリビング。
リビングの先にあるダイニングからは
元々ある集落と筑波の山々の景色。
リビングに入ると、
自然とこの窓に吸い寄せられてしまいます。
三重のアグラデザイン事務所・斉藤さんに
撮っていただいた窓ぎわでの写真。
ダイニング・リビングには
居場所がたくさんあり、
その時の気分で寛ぐ場所を選べます。
居場所をいくつか作るのは
いつも心掛けているけど、
なかなか難しい。
北側に設けられた給湯設備の設置場所。
建物の外に余計な設備が出ていないので
遠目にも、建物がとても綺麗に見えます。
ルイスカーンの
「私の建物に裏は無い」
という言葉が思い出されました。
次に
堀部康嗣(ほりべやすし)さんによる
バンガードハウス。
開口部=窓は絞り込まれていて
窓が少ない印象ですが
中が暗いということはありません。
なんと堀部さんが現地解説をされていました。
リビング窓側の壁を黒く塗装することで
外を眺めた際に室内の壁が目立たなくなり
外の景色だけに目が行くようになります。
「外の景色を取り込む」というのは
窓を全開にしなくてもできると
初めて知りました。
この建物は
堀部さんにしては造り込まれておらず
汎用性のある使い勝手を想定しています。
平面的な暮らしの流れと共に
縦方向=1階~2階の
空間の繋がりや広がりもあり
その仕掛けを理解をするのが難しいですが
一点物的な伊礼さんとは
別の趣旨で設計されている「バンガードハウス」で
とても勉強になりました。
つづく。