前回の続きです
【震災関連】なぜ住みながら沈下修正なのか
の最後に書きました問題点について
土台上げ作業において
土台上のアンカーボルトのナットを
外せない時点での問題点は
アンカーボルトを切ること
と
基礎欠損による強度低下
です
図①のジャッキ左に切断した
アンカーボルトがあります
さらに図②のように
断熱材や設備の陰など諸事情で
ホールダウン(以下HD)金物の
ナットも外せず
HDボルトを切断しなければならない
場合もあります
ここでの問題点は
- アンカーボルト・HDボルトを
溶接する作業は熱の伝導による
火災発生に細心の注意が必要 - 図②の場合、基礎の角まで
大きくハツリ出すので
基礎の欠損が大きくなり
基礎の強度低下が著しい
この二点です
1.については以下の工程で防げます
・水を噴霧して溶接部分の温度を
下げながら作業すること
・現場引き上げ2時間前に作業終了し
片づけながら火災が起きていないか
目視や匂いで判断する
それでも時々火災を起こす業者がある
とのことで注意は怠れません
アンカーボルト切断
溶接前・土台保護プレート設置
溶接作業
溶接完了 土台は少し焦げます
こまめに噴霧器で水をかけて冷却
業者さん向けに描いた指示書
※ボルト類を切断しても溶接せず
基礎と柱や土台にプレートを当てて
後打ちのアンカーボルトで繋ぐのは
問題外とします
基礎に建物が載っているだけなので
地震が来た時に柱や土台が割れたり
建物が基礎からズレたり落ちることが
考えられます
2.の基礎の強度低下について
ココは建築士の判断に委(ゆだ)ねられます
(善良な)曳家さんならば
「基礎の角まで壊したくない」
「基礎ごと上げる工法が良いかも」
というのが本音です
基礎ごと上げる工法は必然的に
費用アップになりますので
予算次第で迷うところ
予算が厳しければ「土台上げ工法」
になりますが
前述した強度低下を依頼主に説明して
了解を得ることが必要です
心苦しいのは
どの程度の強度低下なのか数値化できず
明確にお伝え出来ないことです
あとは溶接時の火災に気を付ければ
問題ないと考えます
以上が沈下修正の工法選定時に
工務店としても悩む
大きなポイント(問題点)です
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我が家の猫は もともと野良猫で
15年前に自宅に迎え入れました
2匹のうち茶トラの方は
臆病の裏返しに凶暴で
威嚇が激しかったです
17歳は越えたと思われる今では
膝の上に乗ってきて
「撫でろ」と言わんばかりに
甘えてきます
撫でないと顔を引っかかれますので
やっぱりある意味「凶暴」です笑