「陰翳礼讃(いんえいらいさん)」は
文豪・谷崎潤一郎のエッセイ。
影(陰)の大切さが描かれていて
いつ読んでも、ハッとさせられます。
実はこの本、
学生時代に教わっていた先生に薦められ
手に入れたのですが
当時は さっぱり頭に入ってきませんでした。
色々な空間を経験した40歳過ぎ、
久しぶりに手にしたら
スーッと読むことができました。
今は50歳を過ぎましたが
この内容を若いうちに理解できる人は
凄いなぁと感心します。
個人的には、そのあとに編入されている
「客ぎらい」も好きです。
なぜなら「猫」の描写がリアルで
とても気に入っているから(笑)
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こちらは我が家。
1月の写真ですが
冬の午前は お昼近くなっても
南寄りの低い日差しで
外の様子が障子に影となって映ります。
春になると
もうこんな影は映らず
朝から障子が眩(まぶ)しいほど。
そんな光も
影があって気づくこと。
人間も動物も、暗く狭いところから
明るいところを見ると安心するそうです。
洞窟に身を潜(ひそ)め
外を覗(うかが)っている感じでしょうか。
家じゅう明るいのではなく
陰影を持った住まいを心掛け
動物的本能を大切にしたいと思っています。
(じゅん)