三沢浩・著「A・レーモンドの住宅物語」を読んでいます。
読み進めるとすぐにタイトルの言葉に出会いました。
「住居はむしろ庭の一部である」
ハッキリ言って、ガーンと頭を殴られたようです。
(そうだ、日本って そうだよ!)
出先で読んでいたので 声に出すのは控え、心の中で叫びました。
『日本人の世界観である自然との一体感とか、自然の一部となる包括的概念を理解すべきであり、「住居はむしろ庭の一部である」という概念を理解しないで、この「スタイル」は成立しないと述べている』
(P33より抜粋)
「スタイル」とは「レーモンド・スタイル」のことで、レーモンドを通して編み出された住宅の和洋一体化のことです。
アントニン・レーモンドは1888年〜1976年を生きた建築家で、フランク・ロイド・ライトとともに来日。
戦前・戦後の滞在で日本建築に大きな影響を与えました。
掲載されている住宅プランを眺めると、今でも通用する普遍的な内容に唸ります。
そして、日本人よりも日本らしさを理解していることに驚きました。
やはり、プランの始まりは周りの自然とどうやって融合し、いかに取り込むか。
それは、現在でも変わらないアプローチであり、合理化ばかりが目立つ現在こそ必要なアプローチです。
新築だけでなく、たとえリノベーションであっても、周辺環境を意識したいと改めて思いました。
(潤)