設計上の留意点
夫婦ふたりに丁度いい家
海にほど近い高台の住宅街に、Nさんのお宅はあります。
小さな外観は やさしいグレーの杉板で包まれ
裏へまわると雑木の庭の中に
広いウッドデッキと その奥に小さな小屋があります。
30年ほど前、Nさんご夫婦は中古住宅を購入。
この家で二人のお子さんを育て、巣立っていきました。
そして定年を数年後に控えたとき
冬暖かく 二人にちょうどよい大きさの家に暮らしたい
と考えはじめ、今の家を建て替える決心をされました。
Nさん宅には
ずっと大切にされてきた 古くて作りのよい家具がたくさんあります。
引越して驚いたのは
この古い家具が 新しい家にしっくり馴染んだこと。
「以前の家にあったときより なんだか良い家具に見えるんですよ。
この本棚、まるでずっと昔から ここにあったみたいに、いい感じでしょ(笑)」
とご主人。
この家には、和室から外へ出たところに
離れの小さな小屋があります。
ここは当初
ご主人の趣味のロードバイクの自転車を
整備・保管する場所になる予定でしたが
自転車に代わり 大きな書棚とお気に入りの机と椅子が入って
書斎として使われています。
本が好きなご主人は、朝ここで本を読んだり
考え事や書き物をすることが多いといいます。
また友人の多いお二人は
広いデッキや庭を生かして 時折りBBQや
ホームパーティーを開いて
賑やかに過ごすようになりました。
「前からこんな暮らしがしたかったんですよ!」
と語る奥さんの笑顔から
今の暮らしを愉しんでいる様子が 伝わります。
この小さな家は
Nさんご夫婦の穏やかな暮らしに
豊かな彩りを添えてくれました。
プランの始まり
Nさんご夫婦との出会いは
私たちの自宅の内覧会でした。
お二人は 3時間ほどじっくりと見学され
ここで見た
『木の外壁・木のお風呂・全開できる木のサッシ』
をとても気入ったので
ぜひ自宅にも、と強く希望されました。
その後、打合せでNさんのお住まいに伺った際
家並みの合間から 一か所だけ海のみえる場所が。
海が近くても
住宅街ではなかなか見えないので
「新しい家にも こんな場所があったら
気持ちいいだろうな」
と印象に残り、プランに生かしています。
Nさんの敷地の西側には
広い駐車場と お庭がありました。
そこで
古い家を残したまま新しい住まいを作り
完成後に引越してから取り壊すことに。
限られた条件でのプランでしたが
ワクワクする離れの小屋があり
収納・洗濯・物干し・家事室をまとめた
便利なスペースがあったり
海や庭など
眺めのいい居場所がたくさんあったり。
毎日が楽しくなる仕掛けいっぱいの住まいが
出来上がりました。
スペック
工法・仕様 | 在来軸組み工法 FP工法 |
用途 | 専用住宅 |
家族構成 | 夫婦 |
建設地 | 新潟市西区 |
延床面積 | 108.06㎡(32.6坪) |
設計・施工 | 山川建築事務所 |